2009年10月10日土曜日

今を生きるを発見


今日、認知症の実母を介護された方のお話を聞く機会がありました。だんだんと認知症が進み、昼間奥様だけでは対応できなくなり、早期退職をされました。

色々なことをお話されたのですが、その中で一つハッとしたことがありました。ある日、たまには美味しいお肉でも食べようということになり、ご夫婦とお母様3人で出かけられました。かなり高いステーキを注文され、3人とも‘おいしい、おいしい’と満足なランチだったそうです。さて、夕食の時間になり・・・もとよりお母様は昼間食べたものなど覚えているはずはありません。でも、自分はその美味しさを十分認識し、今でも記憶に残っている。だから、その美味しさの記憶だけで白いご飯が食べられるか・・・それは無理でした。

その時、気が付いたそうです。記憶があるからこれはこうだ、記憶がないからこうなるのだ・・・というのは違う!記憶があろうがなかろうが、今ご飯を食べるには記憶は関係ない・・・どちらにせよ、おかずがなくては白ご飯は食べられないと。

その方はそれまで記憶がなくなって行くお母様のことを別の人間に思われていたそうですが、それに気がついてからは、自分も母も同じ・・・今を生きている人間なんだと。

そう思うと、毎日の介護の仕方、接し方も変わり、穏やかな日々を過ごされたそうです。

本やメディアの情報も大切ですが、やはり現場を経験された方のお話は納得です・・・

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