2010年10月15日金曜日

十人十色


ず~っと前のこと、20年以上かも知れない。

マンションに住んでいた頃、確かまだ暑い盛り、玄関の前の踊り場を掃除していたら、若い男性が手すりにすがるように上がって来た。

私を見つけると、名詞を出し、Sデパートの外商だと言う。

さっそく、カタログのいっぱい詰まったファイルを取り出し、これはどうですか?あれはどうですか?こっちはどうですか?これもあります!・・・

と、次々に色んな商品のページを開き、半ば強引な営業態勢。

残念ながら、品目、価格とも我が家に相当するものがないので、もう断ろうと思っていると、最後の切り札のごとき商品が表れた!

‘魚沼産 地域限定 こしひかり’!!

この表示が目に入らぬか!!と言わんばかりに目に飛び込んで来たので、まぁ、お米なら毎日要るし、ちょっと贅沢して家族に喜んでもらおうかなぁ・・・と、安易な気持ちで契約してしまった。

当時、魚沼産こしひかりなるものが注目を浴びかけていた頃で、ちょっとは気になっていたけれど、10キロで6000円?強という値段は我が家の家計にかなり響くので、子供も小さいし、お弁当は夫A型の分一つだし、2ヶ月に1回ということで半年、3回分注文した。

1回目が届いた日、ワクワクしながら丁寧にお米を研いで、慎重に炊き、喜びの反応を期待しつつ、黙って夫A型に出した。

夫A型は何も言わず、いつものように食べているので、シビレを切らした私は、‘今日のご飯どう?’と聞いた。

期待した私がバカだった・・・

‘別にぃ~。’

‘はぁ?’

‘えらくモチモチしてるけど、オレはあっさりした方が好きだ。’

‘えぇぇえええ~~~~!!せっかく大枚6000円も出して、高いこしひかりを買ったのにぃ!!’

‘そうだったん、モチモチがイヤだから、オレ1人暮らしの頃、自動販売機でいつもササニシキを買ってた’

あぁ、そうですか!!!

結局、喜ばれもせず、可愛そうなこしひかりはその後3回届けられ、やっとこれで終わったぁ・・・!と喜んでいたら、Sデパートの例の外商さんから電話がかかって来た。

引き続き契約をしてほしいというので、我が家の好みではなかったから、これで終了しますと告げた。

すると、数日後、今度はその外商の上司という人が電話して来た。

‘契約更新をされないということですが、どうしてですか?魚沼産のこしひかりですよ!おいしいですよ!’

‘すみません、主人があまり好みではないようなので・・・’

‘魚沼産ですよ!!おいしいんですから!!’

‘おいしいのは分かりますが、どちらかと言うとサッパリした方が良いので・・・’

‘でも、魚沼産はおいしいんですから!!’

いくら言っても、魚沼産のこしひかりはおいしい!の一点張り。

丁重に断っていたつもりだけど、あんまり向こうがしつこいので、だんだん頭に来て、‘いくら美味しくても、好みがあるんです!!’と言って、電話を切った。

たかだか2ヶ月で6000円、こんな庶民一軒契約がなくなったからって、お店が潰れるわけじゃないだろ!!

当分カッカして収まらなかった。

それ以来、高いお米は買わないようにしている我が家・・・

引っ越して来てしばらくして、こちらにしかないようなスーパーへ買い物に行き出すと、新しい品種のお米を見つけた。

‘きらら397’これがまた安い!

どんなものか試してみるつもりで買って食卓に出し、夫A型に‘どう?’と聞くと、‘これ、いいかも知れない’と言う。

私も食べると、あっさりしておかずの味が際立つ。

‘これイイジャン!’

ということになり、それからは結構銘柄指定できららを購入していた。

ところが、ここ数年、そのスーパーにきららがない!

当然、近くのスーパーにはない。

どうしたんだとうなぁ・・・と思っていたら、新聞に書いてあった。

昔は北海道のお米なんて、と言うことであまり相手にされなかったのが、価格が安いということで人気が出たらしい。

しかも食べたら、予想以上に美味しかったということで、引き合いが多くなり、結局安売りで仕入れていたスーパーに回らなくなったらしい。

先日ふと思い出して、そうだ、ネットならあるはず!と思い、検索したら、当然ヒット!

しかも予約販売で新米のきららが手に入る!!

さっそく注文、やっと来ました。

今回は手抜きの無洗米!

次回はササニシキを探してくれと夫A型の注文。

いいですよ!探してあげましょう!

0 件のコメント: